俺に溺れとけよ
「ん…俺からも」


蒼井くんが凪に差し出したのは雑誌くらいの大きさの袋で、凪は顔を赤くしながら受け取った。




「ありがと…」

「去年俺の時貰ったからお返し。ノートとペン。勉強もしろってことで」


クスクスと笑って離れる蒼井くん。凪は嬉しそうに貰ったプレゼントを握りしめていた。


去年の蒼井くんの誕生日に…凪はプレゼント渡したんだね…





「良かったね」

「…うん」


小声で凪にそう声をかけながらちょっと嫉妬している私。凪が羨まし過ぎてへこむよ…




「俺からも」


健くんも板チョコ一枚を凪に渡していて、凪は苦笑いしてお礼を言っていた。





「じゃあ…次は~美海ね!ちょっと早いけどお誕生おめでとう!!」

「へ?」


一気に凪から私に主役が変わり、プレゼントらしき袋を差し出してきた。





「来週は水野の誕生日だろ?2人近いから一緒にやる事にしたんだ」

「これも皆からだよ~私が選んだの!」

「嘘~」


中を開けると、そこには淡いピンク色のエプロンが…




「かわい~どうもありがとう!すっごい嬉しい!」

「良かった~」

「これ着てまたお弁当作ってね!」


友達から祝ってもらった初めての誕生日。

嬉しいな…









「誕生日おめでとう!!」


一週間後の私の誕生日当日の夜。

わが家ではごちそうが並び、欲しかった服やコスメを貰った私は16歳になった。





「後はケーキだけね。先に後片付けだけしちゃおうか」

「私も手伝うよ」

「いいよ。主役なんだから」

「いいって」
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