俺に溺れとけよ
「やっと来た…今紡にLINEして呼び出したの」


ぺろっと舌を出す凪。

もしかして…さっきLINEしてたのは蒼井くんを呼び出す為だったの?





「まあ罪滅ぼしってやつ。私からのほんのプレゼント…じゃあお幸せに~」

「凪っ」


とっさに立ち上がって呼び止めたけど、凪は振り返ることなくプールから出て行く。

プールには私と蒼井くんだけになり、気まずい時間がしばらく流れた…



ど、どうしよう…

ここからどうしたらいいの?

普通ならどうするの?






ズルッ



「きゃっ!」

「水野!」


バッッッシャーーーンっっっ!!!



どうするべきなのか迷っていたら、足を滑らせ私は水を入れたばかりのプールに背中から落っこちた。




ゴボゴボ…ゴボゴボ………



息ができない…

それに私まだ泳げないし…





ぎゅ…



水中で私を抱きしめてくれる人…

1人しかいない。蒼井くんだ…






「ぷはっ…」


蒼井くんに抱きかかられながら外に顔を出すと、びしょびしょに濡れた2人が顔を合わせる。




「ご、ごめん!蒼井くん濡れちゃ…」

「いいよ別に…」

「あ…」


そのままプールの中で蒼井くんに抱きしめられる。冷たい水の中なのに…何故か暖かかった…










「好きだ」



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