俺に溺れとけよ
水の音に混じって聞こえた蒼井くんの言葉…涙が溢れ私も抱きしめ返す。



蒼井くん大好き…


凪、ありがとう…

想いがちゃんと届いたよ…












凪{今日は特別に部活は休みです(*`∀´)


プールからあがって着替えを済ませてスマホを見ると、水泳部のグループLINEに凪からメッセージが入っていた。


凪ってば…私達に気を使ってくれたんだ。明日ちゃんとお礼を言わないと…






「LINE見た?」

「あ、うん…部活休みだってね」


プールの鍵を閉めて、並んで校門へ向かう私と蒼井くん。




「蒼井くんはプール行きたいんじゃないの?スポーツクラブ行く?」

「さすがに今日はいいや。それよりこれから海行かね?」

「海?」


そういえば…こっちに引っ越して来てまだちゃんと行ったことなかったかも。





「行く!」


ワクワクしたように言うと、蒼井くんは優しい顔をして微笑んだ。私達はそのまま真っ直ぐ海に向かった。









ザザーーン…

ザーーン……



学校から20分程度のところにある海に着くと、私達はカバンを置いてコンクリートの階段に腰掛ける。

波の音と海風が心地よくてとてもいい気分…






「誰もいないね」

「この辺はね。もっとあっちに行くとサーフィンやってる人がいるよ」

「そうなんだ」

「今後のこと水野とちゃんと話したかったから…人が少ない所の方がいいと思ってさ」


海を眺めながら冷静に言う蒼井くんに、私は心臓が飛び出そうなくらいドキドキする。
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