俺に溺れとけよ
蒼井くん普通にしてるな…私ばっかりドキドキしてる…

やっぱりモテるから女慣れしてるの?ってゆうか本当に私のこと好きなのかな…

今更不安になってきたよ…





「凪から全部聞いたよ。嘘つかれてたんだって?」

「…うん。あ、でも悪気があったわけじゃなくて」

「わかってるよ。俺も悪いんだよ。あいつの前で水野が好きなんて言ったからさ」


蒼井くんは後悔しているような表情を浮かべ、一間置いた後また口を開く。





「…俺凪が自分の事好きだって知ってたけど…ずっと気づかないフリしてたんだ。あいつの事は友達と思ってるし…」


健くんのこともきっとそれに含まれてるんだろうな…だから気づいてないフリをしてたのかも。





「水野の事は出会ってすぐ位だったかな…好きだなって思って…」

「えっ!嘘でしょ??」


信じられないと言ったように言うと、蒼井くんは顔をしかめた。




「嘘ついてどうすんだよ…」

「だ、だって…」


そんな前から私のこと思ってくれてたってことは、1年の時から既に両思いだったってこと?

あんなに悩んでたのは何だったのかな…





「水野はいつから?」

「あ、私!?き、聞くかな普通…」

「俺も言ったんだから教えろよ」

「え、えと………」


何か意地悪だな蒼井くん…






「で、出会った日かな…」



スポーツクラブのプールでいつも泳ぐ蒼井くんを見て、私は一目で釘ずけになった…

今思えばあの時から好きだったんだよね。



「…そっか。嬉しい」


綺麗な白い歯を出して嬉しそうに笑う蒼井くんを見て、改めて彼が好きだと確信する。




「…凪に告白された日、あいつに「美海は健のことが好きみたいだよ」って言われたんだ」

「はい?」


凪ってば…そんな嘘までついてたの?




「その日からお前と健が話してる度に気になってしょうがなくて…毎日イライラしてた。こんなの初めてでどうしたらいいのか分からなかったよ」

「もしかして…タイムに苦戦してたのってそのせい?「紡は悩みがあるといつもタイムが落ちる」って健くんが心配してたよ」

「…あいつ…付き合い長いだけあって俺のことよくわかってるな」


少し恥ずかしそうな顔をする蒼井くん。
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