私のイジワルご主人様

「休みの日にまでまとわりつくとか!!相手の迷惑考えたらどう?」


腰に手を当てながら声を荒げるリーダーの女の子の後ろから「そうよ!!」「迷惑に決まってるわ」といった加勢が加わる。


なるほど。
きっと彼女たちが言ってるのは昨日のご褒美のことだ。

でもあれは、ゲームに勝ったからで…なんて言ってもこの子たちには通じないだろうなぁ。



「なんとか言ったらどうなの?」



「なんとか…って言われても」



「ああもう!!あんたは鴻上くんのなんなわけ!!」



「えっと…犬だけど」



「はっ?」
「えっ?」
「……犬?」



案の定、女の子たちは怪訝な目であたしを見た。

うん、まあ普通の反応だよね。

ここで「彼女です」と言えたら良かったんだけどね。

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