私のイジワルご主人様
しばらく鳴ったあとプツッと音は途切れた。
音が切れると同時にリーダーの子の鋭い声が聞こえてくる。
「とにかく!!あんた、鴻上くんから離れなさいよね!!」
「それは無理だよ」
あたしは即答した。
だってあたしはどんな鴻上くんを見ても嫌いにならないことを証明するために側にいるんだし、それになによりあたしは鴻上くんが好きだから。
離れるつもりなんかない。
あたしの返答を聞いて女の子たちは顔を真っ赤にして怒りだした。
「なっ…!!なんなの!!あたしたちにたてついて無事に済むと思ってんの!?」
「あなたたちがどんな嫌がらせしたって、あたしは絶対離れないよ」
「…っ、鴻上くんに迷惑だって思わないわけ?」
「…鴻上くんがあたしに迷惑だって言ったらやめるよ」
そう鴻上くんが言えば。
でも…あの日「なんでもする」って言ったあたしを鴻上くんは拒まなかった。
「嫌いになってほしかった」とは言っていたけど、自分からあたしを突き放したりしなかった。
ーだから。
あたしはこんなことで負けたりしない。