私のイジワルご主人様

その言葉にリーダーの子はショックを受けたように立ち尽くし、他の子も動揺からか唇を震わせていた。


王子様な鴻上くんがそんなことを言うなんて信じられなかったんだろう。


｢行こうか、ワンちゃん｣


鴻上くんはあたしを腕の中から解放すると、きびすを返して歩きだした。

あたしはその後を追って歩き出す。



｢…ちょっと待ってよ!!｣



数歩、歩いたところで後ろから声がかかって鴻上くんが振り返る。



｢なに？｣



笑顔だけど、｢めんどくさいな｣ということが顔に表れてるよ、鴻上くん。



｢その子…立花ひなは一体鴻上くんのなんなの？｣



鴻上くんの顔から笑顔がスッと消えて、真剣な顔つきに変わる。



｢…大事な子だよ。だから、いじめたら許さないからね｣



鴻上くんはあたしの肩ををだきよせて、強い口調で言いはなった。