私のイジワルご主人様
ぜぇ、はぁと肩で息をしながらあたしは自販機の前に立っていた。
預かったお金を入れてあたしはどれを買おうか思案する。
まずは自分のおすすめのジュースのボタンを押す。
ガコン、と出てきたのはあたしの好きなサイダー。
スカッとした口当たりが好きなんだ。
ーそれにしても。
あたしに対しての鴻上くんの扱いはひどすぎる…と思う。
サイダーを取り出したあたしはそれを眺めながらひとつため息をついた。
ー鴻上くんがあたしをこんな扱いをするのには訳がある。
それはあの日、あたしが鴻上くんに告白をした日にさかのぼる。