陽だまりのような物語
「あんた、弟でしょ!傷心の姉を慰めてくれてもいいんじゃないの?!」
「はいはい。まぁ俺も今彼女と別れて傷心だからさ、許してよ」
「え、夕陽別れたの!?なんで!とうとうふられた!?性格悪いのバレちゃった!?」
「…ほんと失礼だよね。」
はぁっと明らさまにため息をつく。
性格悪いのはお互い様かな?
「違うよ、ふったの」
「へ?」
漫画みたいにアホっぽい声が出た。
「ふったって、え?傷心、え?」
「傷心なんてうそだよ」
、、なんてやつだ。
「またふったの!?あんた本っ当に最低だね!!なんでそんな女の子悲しませるようなことばっかするの!?」
「だってめんどくさくなったんだもん」
「メンドクサクナッタンダモン。じゃないから!ダモン。とか言っても可愛くないから!!」
「なにそれ、俺の真似?全然似てない。てかもう寝るし出てってよ」
そう言いながらベッドにゴロンと寝転んで背を向けた。
だめだ、完全にすねた。
夕陽がこうなるともう絶対口を聞いてくれない。
私は諦めて部屋を出ることにした。
────ガチャ
部屋を出ようとした時、夕陽が独り言のようにボソッと呟いた。
「本当の好きって、なんだろうね」