しあわせのかたち
―紗姫―
あたしは不安な気持ちを
抱えながら
裕也と会う約束をした
いつものように
迎えにきてくれた裕也
そしていつものように
優しい笑顔の裕也
いつもと違うのは
あたしの不安な顔
そんなあたしに気づいた裕也は
裕「紗姫、どぅした??なんか元気ないぞ?」
紗「あのね裕也、今日は大事な話があるの…」
裕也の家に着くと
裕也は真面目な顔で
紗姫に話した
裕「紗姫、なにがあった??話せるか??」
裕也の優しい声に
紗姫は声をふるわせ
紗「裕也、あたし…
あたし…妊娠したの」
裕也は驚いて何も言えずにいた
紗「ねぇ、なんか言ってよ!!」
裕「ごめん、いきなりだったからなんて言ったらいいかわかんない」
そぅ言って
裕「ちょっと外で煙草吸ってくる」
と出ていった
紗「どぅして??なんで逃げるのよ!!」
紗姫は泣き崩れた
しばらくして裕也が戻ってきた
裕「紗姫、ごめんな。紗姫もツラいんだょな。ずっと1人で考えさせて悪かった…紗姫はどぅしたい??」
紗姫は重い口を開いた
紗「あたしは…まだ高校生だし学校にも行ってちゃんと卒業したい…でも…小さいけどあたしのおなかにはもぅ1人の命があるんだょ。同じ天秤にはかけられない。もぅわかんないょ」
裕「お前言ってたよな?看護師になって沢山の患者を助けたいって、お前を待ってる患者は沢山いるはずだょ。俺もできるならお前と結婚して育てたいって思った。でも今この子を産んでもその子は祝福されない。それじゃこの子がツラい思いするんだ、わかるょな?」
二人はこの厳しい現実を
少しずつ受け止めようと
踏み出し始めた