隣り合わせ
夏の終わり
「もうすぐ閉まっちゃうよ?」
麻衣が、
心配そうな顔で言った。
どれだけの時間…俺はベンチに座ってたんだろう。
勉強しなきゃいけないのに。
「もう、大丈夫だよ!悪いなっ。」
夕方になる準備が、生暖かい風で伝わった。
「ねぇ…?」
麻衣がまた、俺の横に座ってきた。
「何だよ!」
「一緒に帰ろう…?」
麻衣の顔が、赤くなるのが分かった。
昨日の原田さんの言葉が、横切った。
『彼女、木下さんの事。好きだと思う…。』
それが、本当なら?
友達って、意味ないかもしれないじゃん。
俺…。
どうしたらいいんだ!