隣り合わせ
『一人になりたいの。』
私の両親は、凄く心配してくれた。
会社も辞めた。
かんちゃんの両親は、私を抱きしめて泣いた。
『ありがとう。』
何度も言うから、泣けなかった。
『かんちゃんの赤ちゃん、産んだらまた来ますから…』
現実は厳しい事
分かってる。
でも。
この町から居たくなかった。
あの、赤く染まった道路を見たくなかった。
『何かあったらどうするんだ!』
父親は反対で…。
でも、かんちゃんの赤ちゃん産むんだから!
まだまだ、子供だって親が思うのはしかたのない事。
産むのはこの町で!
そう約束して…。
家を出た。
荷物なんて、必要な物だけで充分だった。
親から離れて暮らす事。
かんちゃんと愛を育てた町から離れる事。
きっと。
成長してみせるから。
許してね!