隣り合わせ
「駅まで送るよ!」


兄貴が言ってくれた。

此処に来て、初めて兄貴と色んな事話せた気がした。

兄弟としての意見。

そして、男の立場としての考え。

見知らぬ内に俺の、心の鍵を開けてくれた兄貴。




「お前、本気なんだな!」


「でも、俺。原田さんの事何も知らないんだ。」


「・・・旦那とか?」


〜多分かんちゃん〜


その意味さえも、今の俺には理解出来なかった。


「原田さん?だっけ…その人の旦那の事気にしてんだろ?」


「・・・・。」


「まぁ・・・。振られるの覚悟だな!!旦那、子供居るからなっ?
…それ位、分かっているってか?」


「あぁ〜。分かってる。困らせんのも…十分。」
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