隣り合わせ
チャリの鍵を片手に持って、玄関を閉めると、勢いよく階段を下りた。


何だか、恥ずかしい気分ってやつ?


ここで、いつも原田さんから、声を掛けられていたからなっ!


俺は、自転車に飛び乗り懐かしい道のりを急いだ。



道端には銀杏の葉が、黄色くてまるでクレヨンで描かれたようだった。



公園の横を通ると、サッカーをしている子供達がいた。



原田さんと一緒に見た光景だけが、変わらずある。



笑みを浮かべて幸せそうな顔。


もしかしたら、俺の言葉で笑顔を曇らせるのかな?



そして。



きっと俺も…笑えなくなるんだろう。



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