隣り合わせ

「気分、どうですか?」

「だいぶ楽になった。でも?この子の為にもう少し休むけど!」


原田さんは、アイスを美味しいと何度も言いながら、答えた。


もう?
これ以上…。


聞かないようにしようと思った。


守るべきものがあると…。
強いんだな?


「じゃあ・・・。俺、失礼します!」

立ち上がろうとした時。


「待って!!」

ぎゅっ!


腕を掴まれた。


えっ?


「あっ!ごめんなさい」


慌てて原田さんは、掴んでいた手を離した。


「アイス!美味しかった。」


食べ終わった、アイスの棒を見せて笑った。


俺には見えたかも?


原田さんの「強がり」


泣きそうな顔を・・・。

でも?思いきり笑って。


「今度、木下さんにお礼するね!」


そう言って・・・。



また、大丈夫!言い聞かせるように。


悲しく、笑った。
< 50 / 203 >

この作品をシェア

pagetop