隣り合わせ

蝉の声が、うるさく鳴いている。


まるで、俺の気持ちみたいだ。

「木下さん。今日はありがとうね!」


「いえ!」


原田さんは、手芸本を見て再度材料を買いに行くと言った。


俺の任務は終了。


そして…。


「男の子が欲しいなっ!」

サッカーをしている少年を見ながら言った。


母親の言葉だよな?


「そうだといいですね!」

思い切りの笑顔で答えた。

そして。


胸にしまってあった。


疑問を一つだけ。


聞いてみた。


原田さんの待っている人は…。

誰なんだろう。

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