アシタノヒカリ
そう意気込んで指定場所で待っていたのに、現実は残酷だった。
ドキドキしながら待っていた私の目に入ったのは、翔くんとあの女性が腕を組んでいる姿だった。
2人は私に気づかず、真っ直ぐこちらへ向かってくる。
逃げなければと、頭では分かっている。
だけど、足が動かない。
足の裏が張り付いてしまったように少しも動かない。
そのうち、翔くんが私に気づいた。
その瞬間、目を見開いて驚いた。
「知那……!」
そう翔くんが呼んだ瞬間、女がニヤリと笑ったのを見逃さなかった。
翔くんの表情、この女の笑い。
あのハガキは、この女の仕業のように感じる。
「翔太、知り合い?」
甘い声で、翔くんを呼び捨てにする。
ズキリと胸が痛む。