アシタノヒカリ
翔くんは、顔を背けるだけで何も答えない。
「初めまして。
山内美咲、翔太の彼女です」
「……彼女……?」
翔くんの返事を待つ前に、女がにっこり笑いながら言う。
その言葉に驚く。
「そうよ。
あなたは、いつの知り合い?」
勝ち誇ったように言う言い方に、私は何も言えなくなる。
何も言わない翔くんを見ると、女が勝手に言っているようにも見える。
今回のことは女が仕組んだことだと、誰が見ても分かる状況だ。
ただ、何で翔くんが黙ったままでいるのか分からない。
「ねぇ、いつの知り合い?」
尚もしつこく聞く女。
私はもう、それどころじゃない。