アシタノヒカリ
「やめろよ。美咲には関係ないから」
ようやく声を出したかと思えば、女を止めに入った。
私に対して何かを言う訳じゃなかった。
私よりその女を大事そうにする姿、何より呼び捨てにするのを見てショックを受けた。
この場面で優先すべきなのは、彼女という立場にいる方だ。
女を優先にしたということは、私はもう彼女以下の存在なんだ。
“知那”って呼んでくれた気がしたけど、それも気のせいだったのかもしれない。
「関係ないのに、ここにいるの?ストーカー?」
嘲笑うかのように言う。
顔は唇が触れるぐらい近くて、腕をからめてベッタリしている。
翔くんも、それを嫌がるような素振りもない。
私は、何のためにここにいるのだろう。
クリスマスなのに、こんな仕打ちはないと思った。