アシタノヒカリ
これ以上ここに留まれば、この女の口はまだまだ動くだろう。
そして、仲良いところを見せつけられるのだろう。
そんなのは見たくもないし、話したくもない。
だから、何も言わずにその場から立ち去る。
せめてもの抵抗として、ゆっくりと歩きながら去る。
それに対して、何も言われないし、止められることもしない。
それが、ショックなのかなんなのか分からない。
私の感覚もおかしくなっているのかもしれない。
ただ、分かったことは、私は正式に翔くんの彼女じゃなくなったということ。
そして、翔くんには新しい彼女がいるということ。
その事実を確認するかのように呟けば、自然と涙が流れてきた。
1度流れてしまえば、なかなか止められない。
周りの目なんて気にせず、流し続けるしかなかった。