アシタノヒカリ



そして、何も言わずに佑里ちゃんの家に連れて行かれた。

そこには、旦那さんも子供もいた。

なのに、旦那さんも優しく迎え入れてくれた。

本当に、温かい家族だと思った。



「……少しは落ち着いた?」



温かいコーヒーを飲みながら、佑里ちゃんがそう言った。

私は、静かに頷いた。

ぐちゃぐちゃだった頭の中も、少しは落ち着いた。

だから、ゆっくり今日あったことを話した。

口に出せば、事実だと認めるしかなくなって、また涙が溢れてくる。


静かに聞いていた佑里ちゃんだったけど、表情はだんだん崩れてきて怖くなっていた。



「何それー!
その女、あきらかに仕組んでいるしっ!」



話し終わったとたん、佑里ちゃんは怒り出した。



「翔太も翔太だよ。そんな女庇うなんて。
信じられないっ」




< 21 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop