アシタノヒカリ
*誰も弱いだけではない
年が明けてすぐ、私は携帯を変えた。
本体はもちろんのこと、番号も変えた。
そして、引っ越しもした。
これで、翔くんが知っていることは何一つなくなった。
仕事も辞めようかと考えたけど、さすがに佑里ちゃんに止められた。
まぁ、恋愛で仕事を左右されるなんて、やっぱり大人が取るべき行動ではない。
だから、仕事は続けた。
「知那ちゃーんっ。今夜こそ、合コン行こう」
以前から誘ってくる会社の人に、また誘われる。
前は彼氏がいるから全て断っていたけど、今はそんな気分じゃない。
それでも、毎回誘ってくる。
「毎回、よく行きますね」
「だって、そうでもしないと出逢いないんだよー?」
確かにそうだ。
この会社で出逢いを求めたところで、何もない。