アシタノヒカリ



表情を一切変えず、冷たく言い放つ。

それで怯むと思って腕を強く引いたのに、手は離れない。

なんなの、この人。

馴れ馴れしすぎる。



「知那ちゃーん、帰るの?」



私を誘ってきた人が状況に気づき、声をかける。

でもこの人、結構酔っている。



「あ、すいません。帰ります」


「そっかー」



それだけ言って、また飲み始める。

助けてくれてもいいのに。

それに、それ以上飲むと危ない気もするけど。



「帰るので、離して下さい」


「えー、まだいいじゃん。話そうよ」




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