アシタノヒカリ



「あんたこそ、何だ?」



私を抱き締めている方も怒っている。



「オレは、今から付き合うんだよ。ねぇ、知那ちゃん」



は?
いつの間にそんな話しになった?

馴れ馴れしく名前で呼ばれるのも嫌だ。

そもそも、私は名前すら知らない。

そんな状態で同意を求められても……。



「無理矢理彼女にして嬉しいか?」


「無理矢理じゃねぇよ。合意の上だよっ」



男の言葉に、私はため息しか出ない。

何を合意したのか。

妄想もいいとこだ。



「へぇー、無理矢理じゃないねぇ。
逃げられかけていたのに?」



この彼の態度もそうとうデカイ気がする。

自分が勝っているような言い方。




< 35 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop