アシタノヒカリ
私にちょっかいを出していた男は、他の男に押さえられている。
手を出すなと言うことか。
それはいいのだけど、翔くんの言うことの意味も、ここにいる理由も、何も分からない。
そもそも、何でここが分かったのか。
偶然見つけただけなのか。
色々な疑問を持ちつつも、手を引かれるままに店を出る。
どこへ行くのかと思ったら、急に翔くんが立ち止まる。
不思議に思い前を見ると、そこには腕を組んで立っている佑里ちゃんがいた。
「……無事に姫を奪還ですか?」
少しだけ怒りを含んでいるように聞こえる。
「危ないとこだったけどな」
「危ない⁉知那っ、なんともない⁉」
しらっと言った翔くんの言葉に反応して、私の肩を掴んで揺らす。