アシタノヒカリ



「知那を傷つけることは許さない。だから、知那に関わらないことを条件に言いなりになっていた。
名前なんか呼ばれるのも嫌だったし、呼びたくもなかった。けど、仕方なかった」



苦しそうに吐き出す姿を見ると、何も言えない。

好きでもない人と一緒にいることは、苦痛以外何者でもない。

私も、さっきの状況で痛感したから。



「だけど、まさかクリスマスにあんなことをするとは思わなかった。
何度問い詰めても偶然と言い張った。それでも、証拠は出てきたけどな」



嬉しそうに言う翔くん。

でも、簡単に別れられるとは思わない。

ストーカーまでした人が、簡単に諦めるとは思えない。

だから、ここに1人でいるのが信じられない。



「別れ、られたの?」




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