アシタノヒカリ
にっこり笑うと、ため息をつかれてしまう。
「絶対、後悔するからねっ。
そうなってしまっても、知らないからねっ」
「うん、ごめんね」
なぜか佑里ちゃんの方が泣きそうになっていた。
こういう友達がいるから頑張れるんだ。
何事もなかったようには振る舞えないけど、沈んでばかりもいられないから。
全てを忘れて、番号も変えて心機一転出来ればいいけど、そんなことも出来ない。
まだ未練がある私は、彼の番号さえ消せないでいる。
もう1度、元に戻りたいなんてわがままは言わない。
ただ、声が聞きたい。
私の好きだった、低く耳に残るあの声を。
最後に聞いたのは、ずいぶん前。
思い出すことも困難なぐらい前だ。
夢にすら出ない、聞こえない。
どうしても聞きたい。
たった、それだけなのに。