きみが望めば
「アル王子っ。」
「姫にダンスのお相手を願いたい。離していただきたい。」
アル王子は莉乃に手を差し出した。
観客たちの取り巻きと一気に張り詰めた空気に、腕の中の莉乃が体を硬くしている。
「大丈夫だ。」俺は莉乃にだけ聞こえるような声で囁いた。
「姫、こちらへ。」アル王子は莉乃だけを見ている。
周りにはっきり聞こえるように声をあげる。
「莉乃姫。」
腕の中の彼女を見つめた。
注目されているためか、莉乃がぐっと顔を赤くさせる。このまま連れ去りたい衝動に駆られる、、甘い莉乃の香り。
「またお迎えに参ります。」
「君はどこの騎士かな?」
苛立ちを含んだアル王子の声。
格好から騎士に見えたのか?
俺はそれに微笑んで応えた。
「莉乃姫の、黒の騎士。」
アル王子が眉根を寄せた。
「姫にダンスのお相手を願いたい。離していただきたい。」
アル王子は莉乃に手を差し出した。
観客たちの取り巻きと一気に張り詰めた空気に、腕の中の莉乃が体を硬くしている。
「大丈夫だ。」俺は莉乃にだけ聞こえるような声で囁いた。
「姫、こちらへ。」アル王子は莉乃だけを見ている。
周りにはっきり聞こえるように声をあげる。
「莉乃姫。」
腕の中の彼女を見つめた。
注目されているためか、莉乃がぐっと顔を赤くさせる。このまま連れ去りたい衝動に駆られる、、甘い莉乃の香り。
「またお迎えに参ります。」
「君はどこの騎士かな?」
苛立ちを含んだアル王子の声。
格好から騎士に見えたのか?
俺はそれに微笑んで応えた。
「莉乃姫の、黒の騎士。」
アル王子が眉根を寄せた。