きみが望めば
「にやけてなんかっ、、っ?!」
「今度は驚いてる。莉乃はやっぱり面白いな。見ていて飽きない。」
ひょいっと窓を越えて入ってきたのはラファだった。

「ラ、!」
ラファと叫ぼうとした口をがばっと塞がれる。
口元に手を立てるラファは、扉の方を指した。
あ、そうだよね、見張りがいるから。

こくこく、と頷くと、そっと口が解かれた。
「見張りがいること、どうして知ってるの?」
ラファの大きな手が頭をそっと撫でる。
「大丈夫だったか。」
優しい口調と微笑みはソラのものだった。
ふたりでひとり、そんな気がしていた。

「うん、大丈夫。でも実は、昨日は疲れてドレスのまま寝ちゃってて、お風呂も入れてなくて身体がガチガチに痛いの。ドレスに慣れてないし、馬も乗ってたか、、」
苦笑いで話す途中、ぎゅっと抱きしめられた。
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