きみが望めば
その瞬間、思いきりラファの胸に引っ張り込まれた!
「なっ、、」
そのままラファとふたり地面を転がる。
すぐに聞こえてきた馬の蹄の音。何頭も駆け抜けて行く。

「追っ手だろう。素早いな。」
樹々の茂った中にあたしたちは転がっていた。「よかった。。見つからなくて。」
ふう、と地面に突っ伏した。
「起きれるか?そのままでもいいが、、また襲いたくなるぞ?」
ラファの声がすぐ近くからだった。
顔を起こすと、、

あたしが突っ伏してたのは地面じゃなくてラファの厚い胸板の上だった!
転がったのに、しっかりとあたしを支えてくれてたんだっ!
慌てて身体を起こした。

くすっと笑うラファ。
「そんなに慌てなくても。残念だ。」
ラファは身体中についた葉っぱを払っている。
顔中真っ赤になりながら、それでもあたしはとりあえずお願いしておくことにした。

どうか、見つかりませんように。。



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