きみが望めば
「だ、大丈夫っ!」
そーっと後ろを振り返った。

ふー、大丈夫、大丈夫。
ラファは岩の向こう側にいるはずだった。

いくらなんでも、お風呂は一緒に入れないから、待っててもらってる。ラファもあっち側で入ればいいのに、「俺はいいから」って。
こんなに気持ちいいのに、ラファも入ればいいのに。


もしかして、言わないだけで、見張ってくれてるのかな?

何だかひとりだけゆっくり入ってるの悪い気がしてきた。

「ラファ?」
「どうした?」

「あのね、この温泉すごく気持ちいいよ。身体がほぐれるからラファも入ったら?、、ぁ、そっち側でね。」
「俺は大丈夫だ。」


「見張ってくれてるの?」
「。。。」


やっぱり。
、、よしっ!

あたしはざばっと勢いよくお湯に頭までもぐった。
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