きみが望めば
「俺のもじき乾く。」
濡れたラファの服も吊るされていた。
「ズボンは乾かさなくて大丈夫なの?」
びしょ濡れだったはずなのに?

ラファの肩に借りていたマントをそっと掛けた。太い首、盛り上がった肩、引き締まった腰。。こんなに男の人っぽいなんて。
すっと手首を掴まれた。

「誘ってるの?」
「ぃゃ、そうじゃなくて、ラ、ラファ、、?」

すっと下を向くラファ。
くくっ、くく。。


肩が揺れている。
「からかったの?!もぉー!!」ラファの背中にパンチを繰り出す。
「はははっ!からかい甲斐があるから、莉乃は。つい。痛っ、」
「もおーーーっ!!」

ぱちぱちと火花が弾けた。
「びっくり!どっきりしたじゃないのー!」


「会えてよかった。」
ぎゅっと抱きしめられた。
素肌からラファの心臓の音がはっきり聞こえてくる。
「俺、、の無事を、願ってくれてありがとう。」
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