きみが望めば
あたしの前で、ぴたりと止まった。
「香りはきっかけに過ぎない。」

大きな手が顎に触れる。
煌めく金色の瞳が、ゆっくり降りてくる。

くちびるに触れるような優しいキス。。
「3度目か?、、4度目か?」

身体の芯がぴりぴりっとしてくる感覚。

甘くくちびるを食むような濃厚なキス。
「5度目?」
「っぁ、、ん、、っん!」

何度もくちびるを奪われる。
かぁっと身体が熱くなって、呼吸がみだれてる。
「そん、なに、、してないっ!」
金色の瞳がふっと緩んだ。
「俺がする。これから。」

手にも首筋にも熱い口づけが降りてくる。
「莉乃。」
甘くささやく声。


「全て奪ってしまいたい。香りのせいでも、仕事でもない。」


ラファは愛おしむようにあたしを抱きしめた。

「だが、焦って莉乃を悲しませたくない。
莉乃の気持ちを待ちたい。大切にしたいから。」

名前を呼ばれる。
呼ばれるのが何だかくすぐったく感じる。
とくん、とくん、とラファの鼓動が聞こえてくる。
不思議なことに、とても心地がいい。。
あんな熱いキスをたくさんされて、ドキドキが止まらなかったのに。。
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