きみが望めば
「つらい時はちゃんとそう言ってくれ。今はもう、お前の心は読んでやれないから。」

まっすぐな瞳。
吸い込まれそうなくらい、まっすぐな。


「行こう。」
ラファはもう一度あたしを馬上に乗せると、手綱を引いて歩いた。

「さっきの話だが、」
ラファがマントを肩から外した。
「羽のこと?」
「そうだ。莉乃、私が傍にいなかった間に、何か動物に出会ったか?ユニコーンとか、ドラゴンとか。」
「え、それって架空の動物じゃなきゃだめなの?」
「会ったのか?」

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