きみが望めば
27.捕らえられて
「ん、、」

っ痛、、

足首に激痛が走った。


「ったぁ、、」


「ラファ?」
なんとか起き上がる。
あたしの下にがっちりしたラファの身体を感じた。ぱたりとあたしの身体に巻かれていた彼の腕が落ちた。さわっと砂が音を立てた。


「ラファ?!」
月明かりだけで、ラファの顔色がはっきりしない。
「ラファ、ラファっ!」
胸に手を置き、身体を揺する。
反応がない。

『身体を強打したカラかもしれないネー。』
「ラファっ、、!」

「ぅ、、」
ペチペチと頬を叩くと反応があった。
「あっ!」

「、、泣いて、、るのか、、?」
「、、ぐすっ、心配したら、、あれ、、涙が、、」
「泣くな。大丈夫だから。」
こんな時にもあたしを安心させようとしてくれる。

大きな手が持ち上がり、あたしの頬に触れた。
「よかった、、」

あたしはラファの頬に当てていた手でそっと彼の顔を包んだ。
苦しそうに眉根を寄せるラファ。
「どこが痛いの?」
「背中を打ったらしい。。っ。」

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