きみが望めば
ラファはあたしを抱いて高く舞い上がった。
足元にアル王子と兵士たちが見える。


「莉乃、」
「、、?」

もうこの瞳に見つめられるだけであたしの思考はぴりぴり麻痺してくるみたい。

「莉乃。」
「なぁに?」
軽くくちびるが触れる。

うつむき加減でセクシーな瞳、そっと開いたくちびる、抱きしめられた胸から鼓動が伝わってくる。。
濃紺の空と金色の月の間、、

たっぷりいい雰囲気に包まれて、、




ラファが視線を落とした。
あたしは彼の顔をそっと両手ではさんだ。
「こっち見てて。」


ラファの目が見開かれる。

「もう、ラファじゃなきゃだめなの。ラファと行くって言ったじゃない?ハッピーエンド。」


金色の瞳が柔らかく細くなった。


鼻と鼻が近づく。
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