きみが望めば
ふと振り返る。

「お姉ちゃん、何度も呼んだんだよ?」

「咲希。。」

「ん?どうしたの?変なお姉ちゃん。」

「あたし、、何してたん、、だっけ?」

「えー、何言ってんの?寝てたんじゃないの?ほら、なんか付いてるよ、そこ。」

「え?」

「ほら、そこ、そこ。顎のところ。よだれ?お姉ちゃんったら。あ!いっけない、あたし出掛けるところなの!お姉ちゃん、あたし!行くね!」
バタバタ、、っと咲希は階段を駆け下りて行った。

「寝てた、、?」
口元を拭う。
「やだ、ほんとによだれ?」



「、、違っ、、これ、」
微かな香り。
あたし、この香り知ってる、、


突然異物感がして、スカートを探る。


手に触れるものがあった。



見なくてもわかる。。


手のひらに納まる、コロンとした小瓶。
ピンクの液体が輝いている。


「うそ、、、、夢じゃない。。」





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