きみが望めば
「王子さま探しっていつも同じ内容じゃないの?」
どきどきを隠しながら、ちょっとソラから離れるように立ち位置を変えた。ソラと向き合うように一歩離れる。小瓶をソラの目の前に差し出す。あたしの動き、不自然に映ってないよね?

「主人公によってストーリーは異なります。もちろん王子の設定も。貴方のストーリーは貴方にしか用意されないものです。」
うんうん、と頷くあたし。静まれ、あたしの心臓!

「なので、私はガイドですが、正解の道があるわけではないのです。ただ貴方の傍にいて導くだけです。」

「はー、、」
「聞いていますか?」

ソラは苦笑いしつつ、その小瓶をてにとった。
「ちゃんとお兄さんの話は聞きましょーね。」
ウィンクが飛んできた!

「?!」
急激に顔が熱くなるのを感じた。
熱くて頬に手を当てる。
まともにソラの顔が見れそうになくて、視線が下りる。
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