きみが望めば
「ソラ、やめて、冗談でこんな。。」
抱きしめる腕から抜け出そうともがいた。

「大丈夫。」
身体がびくんとなった。
「ほら、この香り。あの香水を付けたときよりもこんなに香ってる。」
ソラはあたしの手首を掴んでちょうど香水をつけた辺りに顔を近づけた。

生温かい感触が手首を伝ってくる。
「ぁっ。」
手首に、腕に、肘の内側に、ソラが優しくキスを重ねてくる。
肩にもくちびるが降ってこようとする。

「ソラ、どうしたの?!香水のせいなの?」
沸騰しそうな頭で身体をずらす。
「理性を吹き飛ばす力があるのかも。。」
そう言ってあたしの瞳を捕らえたソラの瞳は、、
金色だった。

「離してっ!!」



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