きみが望めば
ふっと口元が笑ったようだった。
焚き火がぱちぱちと音を立てる。

そっと瞼が開いてあたしを見つめた瞳は金色の瞳だった。
「その香りのせいで、理性が戻るにはもう少しかかりそうだ。」
「それって？！」あたしはとっさに両肩を抱くように身構えた。

ラファはお腹を抱えて笑う。豪快な笑い声が響く。
「そこまで、、笑う？」
ラファは大きな手を空に振る。
「早くその濡れた服を乾かさないと、本当に襲うかもな。」

どきっとした。
金色の瞳が急に甘やかに光った気がして。

今やっと、これから仲良くできたらと思ったところなのに、なんでこんなに急にどぎまぎするの？！あたし！

焚き火から離れていたあたしの服は、確かに濡れたままだった。
「はっくしょん！」
タイミングよくくしゃみまで出てしまった。



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