きみが望めば
「そうだな。早くハッピーエンドに着いて帰りたいだろう?俺も早く仕事を終えたい。目標は同じだな。」
「ぅっ、、」
後ろから、ずっしりと両肩に手を置かれた。

「香水の瓶を出しな。」
頭上で響く声。見上げるとギラギラ光る金色の瞳とぶつかった。
「早く。」
「でも、香りのせいで理性が飛んじゃうんでしょ?」

抗うあたし。スカートのポケットをさっと押さえた。
白馬が地面をどかどか踏み鳴らしている。
誰か来たような、白馬のいななき。

「俺じゃなく、その香りで誘惑すればいい。」
お構い無しに後ろから身体をホールドされ、ラファの大きな手がスカートのポケットに入ってくる。
「ラファっ!」
するりとラファの身体が離れ、その手に小瓶を載せていた。
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