きみが望めば
8.白馬の王子
あたしはぼーっとしてしまって、
白馬にどんなに顔を舐められてても、
そばで誰かに声を掛けられてても、、

全然そっちを向く気になれなかった。


消えてしまった。
ラファはどこ?ソラはどこ?

苦しそうだった。。

目頭が熱くなった。

「わぁ、とってもいい香りだね。」
身体がびくっと反応した。
急に目の前に別の顔が現れていて、大きくのけぞった。
「きゃー!!!」
拒否反応なのか、思いっきり叫んでいた。
おかげでぼやけていた頭がはっきりした。
「なに?!だ、だれ??」
白馬がぶるるっと顔を寄せてきた。

「僕の馬と仲良しみたいだね。」
にこっと笑った顔、あたし、この顔知ってる!
「前は気づかなかったけど、とってもいい香り。探したんだよ、君のこと。」
そういうとぎゅっと抱きしめられた。
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