きみが望めば
「あなたのお姫様はあたしじゃなくて、、きゃっ!?」
ぐっと抱き上げられた。
そのまま白馬に乗せられる。ひょいっと王子もあたしの後ろにまたがる。
「君は僕の愛しい姫さ、今度は逃がさないよ。」

前に会ったときよりも強引で逞しい感じがする。変わってる?
「でも、ほんとに、それはあたしの妹がっ、」
「はっ!」
王子が白馬を駆けさせた。馬に乗るのにもちろん不慣れなあたしはそれ以上しゃべることができなくなった。激しい揺れから落ちないよう、蔵を掴むので精一杯だった。

「僕の城へ案内するよ。」
動けないあたしは、後ろからアル王子に抱きしめられるようにその腕に挟まれていたけれど、抵抗はできなかった。

ラファ?ソラ?何処にいるの?
早く帰ってきて。。

ぎゅっと目を閉じてそう願った。

いつの間にか雨は上がっていたけれど、まだ空には黒い雲が見えていた。

湖が後方に消えていく。
いつの間にか、目の前には白く輝くようなお城が見えてきていた。絵本の中のお城みたい。
ほんとに、ファンタジーの世界なんだ。。
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