きみが望めば
「そうじゃ、、ないんだけど、、」
ドレスもアクセサリーも靴もどれも素敵。ときめきそうなくらい、初めて目にするくらい素敵なものばかり、なのに、、。

「緊張なさっているのですね。王子様はとても素敵な方ですわよ。」
にこっと微笑んでくれる。
う、、違うんだけどな、、

「こちらのドレスはいかがですか?一度お召しになってくださいな。」

金色の縁取りの大きな鏡の前に立つあたし。
「。。。」


「、、決めた。」
ぐっと鏡の中のあたしを見つめる。
ここはファンタジーの世界、助けを待つのじゃなくあたしがクリアしないと帰れない、がんばるしかないじゃない!

ドレスにがしがしと向き直る。

王子様は目の前にいる。ラッキーじゃない!
香りのせいであたしのことも気に入ってるみたいだし、きっとハッピーエンドは近いわ!

泣くなっ、あたし!

「これにします!」
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