きみが望めば
「いいね?」

そういうとドアの方へ足を向ける。
「焦ってはいないよ。姫のことは大切にしたいんだ。、、また後で。」
窓からの日差しを受けてアル王子はきらきら輝くように見えた。

振り返り、ウィンクをひとつすると扉の向こうへ姿を消した。



惚けてしまう。


惚けてて。。いいのよね?


最初の印象と随分違う、ヒラヒラふりふりなだけじゃない、骨太な、強引なところはあるけど、魅力的で、どうしてかわからないけど想ってくれてて。。

だってこのままハッピーエンドに行けちゃうのなら、、


なんでだかぞわぞわ〜と鳥肌が立ってきた。
首筋に手を当てる。

火照ってる。

あたし、真っ赤な顔してたかもしれない。

思い出して恥ずかしくなる。

またキスされてしまうところだった。。


くちびるが近かった。

お互いの息がかかるくらいに近くて。。


恥ずかしさで両手で顔を覆った。





「してもらえばよかったのに。3度目のキス。」
重力のある声が響いた。
「!?」
どうしてるか心配で不安で、会いたくて仕方がなかった、、金色の瞳だった。
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