きみが望めば
「お姫様、お時間でございます。」
ドアの向こうから声がした。
パーティが始まる。

「ちょっと待って!まだ開けないで!」
莉乃は今にも消えようとする、この目の前の、背中しか見せないラファの腕を掴んだ。
驚いて振り返る金色の瞳。マントが勢いで舞う。

「!!」
目を剥いたのはラファだった。

莉乃がくちびるを重ねてきた。

掴みかかってぶつかるようなキス。



真っ赤な顔で、目をぎゅっと閉じている。
俺は驚きでそんな莉乃の顔を見つめている。ただ、驚きで。

重なった莉乃のくちびるが少し離れた。
「何を、」
「3度目のキスよ。」
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