きみが望めば
15.ガイド失格
空の色が変化していた。
薄い雲を孕んだ日中の空から、うっすらピンク色を混ぜたような。紫とまではいかない夕闇の空に。

虹色の玉を覗くレドにも見えていた。
「ラファ、とうとうやりましたねー。
主人公のキスも奪った!完璧に、ガイド失格です。」
アイテムでいっぱいの部屋の中をあちこち歩き回る。
「えーっと、、」

「あった♪黒だけど、まぁちょうど良さそうですね。」


からりん、ころりん♪
来訪者を告げる音がなった。


「はいはい、来る頃だと思ってましたよー。」
「レド。莉乃に、」
「見てましたよ、ぜーんぶ。」

レドは手にした黒い布をラファに渡した。
「ラファ、お前は主人公の空想世界に介入しました。規則に反したため、ガイド失格です。」

「ああ、わかってる、だが」
「ですが、生憎今はお客が多くて他にガイドに回れる者がいません。なので、他のガイドが空くまでの間、例外としてラファにガイド継続を認めます。あ、正式なガイドではありませんので、力は使えませんよ。」

「わかった。」
ラファはうなづき、黒い布を広げてみた。



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