きみが望めば
隣へ続く会場へ足を踏み入れたとき、、


見つけた!



「莉乃姫。」
俺は微笑みを浮かべていた。
ソラとしての仕事上の微笑みではなく。


正面を向いていた顔がこちらを向いた。
「ラファ??どうしたの、その格好?」
「変か?」くすっと笑いが声に出た。
全身真っ黒の俺に目をぱちぱちさせてる。
「うううん、そうじゃなくて、突然格好が変わったからびっくりして。」
ふわっと微笑む。この香りが堪らない。

「全身黒。きっとお前の俺に対するイメージなんだろうな。」
目を丸める莉乃。
「っ、、どういうこと?!」

ぎゅっと莉乃の手を握った。
「莉乃は綺麗だ。化粧は直してもらったんだね。」
見る見る顔が真っ赤になっていく。ばしばし俺の肩を叩いてくる。

本当に莉乃は見ていて飽きない。
笑いを堪えていると、莉乃はぷいっと顔を逸らした。

「っもう、さっきの仕返しなの?!、、知らないっ。」
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