きみが望めば
くいっと握った手を引いた。
莉乃は眉根を寄せてこっちを見た。

「またする?」
くちびるを寄せていく。

「ラファっ、、!!」
また微笑みが浮かんできてしまう。

周りを気にして俺から離れようとする。
俺はそんなの気にしないが、もう登場人物のひとりになったからには、好き勝手に姿を消すことも出来ない、ここは騒がせない方がいいだろう。莉乃から顔を離した。

「ラファなのよね??」
赤い顔で聞いてくる。俺の瞳でソラかどうか、区別してるんだな。

「ああ。それから、ソラでもある。」
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