三つ葉のクローバー
出会い
高1の梅雨。
あたしの大嫌いな季節に、愛実と出逢った。
「あ、翔平ごめん。先帰ってて。忘れ物したみたいー。」
幼馴染の翔平がめずらしく一緒に帰ろうと誘ってきたので、下駄箱で待ち合わせをして「帰ろっか。」と翔平が言った3秒後のことだった。
「・・・えー!お前今日誰と帰るかわかってるか?!このモテモテな翔平くんだぞお前ー。よく『先帰ってて!』なんて言えるなあ~。」
「はいはい。じゃあモテモテな翔平くん~。すぐ取ってくるからちょっと待っててくださいねー。」
「行ってらー。」
相変わらずのテンションにうんざりしながらも、相手は翔平。待たせたら「ジュース奢れ」とも言い出しかねないな思い、小走りで教室に向かう。